米国の家庭科教育食物分野−カリキュラムの検討

 

齋藤紗智子

 

 日本の家庭科教育の中で食物分野というと、現在栄養に関する知識の学習、調理実習が主となっている。そこで、日本の家庭科教育食物分野のカリキュラムがどのように構成されているのかを探るために日本以外のカリキュラムを分析し、どのようなカリキュラムを作り、どのような授業を行っていくのが児童、生徒たちにとって本当によいのかを再検討していきたいと考え、研究に取り組んだ。 

 日本の食物分野の学習は小学校、中学校、高校とどの段階でも栄養に関する学習が主である。

 それに対して米国では、ナショナルスタンダードにはその項目の学習をすることによって身につくであろう能力とプロセスの問いとして生徒が実際考え、知識として学んでいく内容が体系的に記載され、どの教科で、どの教材で指導するかまでは定められていない。日本の食物分野のカリキュラムは調理実習を最終目標に作られている感は否めず、構造を体系化し、生徒の能力に合わせた題材選択ができるような学習内容の弾力性を日本でも取り入れていけるカリキュラム構成を考えたい。